歯と認知症 | 大森・平和島の歯医者・矯正歯科なら55歯科医院

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お知らせ

歯と認知症

2015/06/28

55歯科医院、矯正歯科担当の田代です。

 

今年1月、政府は認知症対策の国家戦略をまとめて発表しました。

その中で、歯科医師による「認知症対応力向上」と、「口腔機能の管理」が掲げられました。

この動きの背景には、最近の研究で「歯の数」と認知症の関連が明らかになってきたことがあるそうです。

 

東北大学が70歳以上の高齢者1167人を対象に行った調査では、

健康な652人は平均14.9本の歯が残っていたのに対し、

認知症の疑いがある55人は平均9.4本と少なかったそうです。

また、厚労省研究班が行った追跡調査では、愛知県の高齢者4400人を調査した結果、

「歯がほとんどないのに入れ歯を使用していない人」は、

「20本以上の歯が残っている人」の1.9倍、認知症リスクが高かったそうです。

 

なぜ、歯が脳の病気である認知症に関連するのでしょうか。

それは、歯根膜が歯から脳に刺激を送るのに重要な役割を果たすからです。

歯根膜は感覚の万能受容器で、食べ物の硬さや厚さを認知し脳に伝えます。

砂粒一つでもジャリって感じますよね。歯の数が多いほど、脳への刺激が多いことになります。

歯がない状態を放置して、脳への刺激が少ない状態が長年続くと、脳の委縮が進む可能性が高いようです。

 

また、噛み合わせと認知症の関係も、最近の研究でわかってきました。

日本歯科大学の研究によると、ラットの奥歯を削って前歯しか当たらないようにしたところ、アルツハイマー型

認知症の原因である異常タンパクのアミロイドベータが3倍に増加しました。また、奥歯を4週間削ったままにし

たラットの噛み合わせをなおして4週間経過すると、アミロイドベータは元の正常な状態に戻ったそうです。

 

少しでも多くの歯を残すこと、良い噛み合わせでいることの大切さを痛感する研究結果ですね。

虫歯は早めに治療し、また定期的なクリーニングで虫歯や歯周病を予防することが認知症予防にもなります。

また、矯正治療で良い噛み合わせをつくり、歯ブラシしやすい状態にすることも歯の寿命をのばすのに重要で

す。

日本人の寿命もずいぶん延びましたが、健康寿命も延ばしたいものです。

 

 

 

 

 

 

 

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